知られざる村井國夫さん

なんと震災直後の被災地でお芝居を上演!

あまり知られていませんが、村井さんは東北大震災の直後の2011年5〜6月、NLTの「オスカー」という喜劇で東北の演劇鑑賞会をまわられました。福島市や須賀川市でも公演されました。福島演劇鑑賞会さんと劇団NLTさんのサイトに当時の様子が載っていました。
福島演劇鑑賞会
劇団NLT裏方日誌

2011年6月8日の読売新聞38ページに「こんな時こそ喜劇を」という村井さんのインタビュー記事が載りました。以下引用します。
「震災前に決まっていた公演ですが、中止することは全く考えませんでした。劇団NLTの俳優とフランスの喜劇を上演しています。観客の皆さんが少しでも笑顔を取り戻せたらとの思いです。喜劇なんてばかばかしいと思う向きもあるでしょう。でも、震災以来のストレスで疲れている方々を喜ばせたい。私の願いはその一点です。」

お芝居をご覧になった被災地の方々、どんなに喜ばれたことでしょう。グッときますね。余震が続き、放射能漏れの危険もありましたが、被災地の方々に楽しんでいただきたいからと、実際にその地でお芝居を上演された村井さんや関係者の方々の、情愛の深さと勇気と行動力に拍手を送りたい気持ちです。

「音無美紀子の歌声喫茶」ご参加

奥さまの音無美紀子さんが「音無美紀子の歌声喫茶」を2011年12月より開催されています。被災地をはじめ、全国へ歌声喫茶の出張公演を月1回のペースで行っていらっしゃるそうです。被災地の方々は歌声喫茶が開かれるのを心待ちにして、皆で一緒に声を出して歌を歌うことで大変励まされているそうです。村井さんもご都合がつくときは参加されていらっしゃいます。被災してお心の弱った方々に元気になってもらいたいとの思いは、村井さんご夫妻の共通の願いでもあります。

こちらのイベントリストをご覧ください。
村井さんの1998年からのイベント、トークショーなどの出演記録ですが、ピンクリボン運動、平和記念フォーラムでの戦争体験の朗読、非戦を選ぶ演劇人の会、スター混声合唱団(がん撲滅を目指して歌うイベント)などに参加しておられます。
村井さんが福祉活動や奉仕活動などへの意識が高く、弱者に寄り添うお気持ちをお持ちなのがうかがえます。

ボランティア活動は当たり前

「いや、こんなの(ボランティア活動のこと)は当たり前のことですよ。僕らはみな、社会とのつながりの中で生かされて、仕事もしている。俳優は別に特殊な世界の人間じゃないし、自分だけ贅沢してればいいってもんでもないんだから。」優倶楽部vol.15 2004年より引用
口で言うのはたやすいですが、これらの活動を見てきて、村井さんは弱い立場の人のお気持ちに歩み寄り、被災地でお芝居をされたり、歌声喫茶に参加されて被災者を励まされたり、とてもお優しく実行力のある方だと思います。有言実行。なかなかできることではないですよ。
お近くで村井さんのお芝居が上演されたり、音無美紀子さんの歌声喫茶が開催されるときは、ぜひ足を運ばれてみて下さいね。

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