I do! I do! ミュージカルナンバー


2002年6月〜2008年 春風ひとみさん・村井国夫さんバージョン


◆第一幕

M1) 結婚式 皆集うよ、晴れの日に、ともにとわにアイ・ドゥー!アイ・ドゥー! マイケル・アグネス

"I do"とは新郎新婦が牧師の前で誓う言葉。結婚式直前の不安と新たな生活への期待が感じられる明るくてミュージカルらしい曲。結婚する二人の心境が伝わってきてぐっときます。出だしがドキドキしますね。

M3)おやすみ マイケル・アグネス

初夜の二人…アグネスが初々しい。空とぼけているマイケルがまたいい味。ユーモラス。

M4)僕は妻を愛してる マイケル

その名の通りのアグネスへの愛情にあふれたマイケルの歌。ストレートでカワイイと思ってしまう。若さいっぱいの元気な歌。

M5)何かが起きた アグネス

母になる喜び。ほこらしい幸せいっぱいの歌にじ〜んと来ます。

M6)待合室 マイケル

古いバージョンにはなかったマイケルのソロ。子供が生まれるのを待たされる不安と焦燥感、そして父になった喜び。前半のメロディーも不安をかきたてるし、時計のカチコチいう音も象徴的。

M7)愛だけでは生きていけない マイケル・アグネス

子供が生まれて家計は火の車、二人目も無事に生まれててんてこまい。「でもそれもまた楽しい」と言う二人。これもミュージカルらしいにぎやかな曲。

M8)誰にも欠点が マイケル・アグネス

喧嘩してお互いの欠点をなじるのだけれど、コミカル。これで笑わない人はいないというくらい。どこにでもある家庭の喧嘩がこんなに面白いなんて!

M9)周知の事実 マイケル

浮気がばれて開き直り、男は年をとった方が魅力的と言うマイケル。思い込みが激しい。「女はもうダメ」はないですよね。マイケルの憎たらしくて魅力的なところがよい。

M10)炎のアグネス アグネス

周知の事実VS炎のアグネス。マイケルにばかり勝手はさせません。アグネスの聞かせどころ。女は、年をとっても結婚しても変わらない部分があると思う。歳をとってなお素敵になるのです。アグネス、パワフルでかっこいいです。

M11)ハネムーンはおしまい マイケル・アグネス

二人の離婚の危機。派手な夫婦喧嘩はコミカルですらありますが、マイケルの「僕は妻を愛してる」のフレーズが入りラストへ切り替わるところがうまい。

 

◆第二幕

M14)去年の雪今いずこ マイケル・アグネス

子供も大きくなってだんだん年老いていく二人。やさしい曲。「こぞのゆき」という古い言い方がステキです。

M14a)愛があふれる マイケル・アグネス

大ヒットしたナンバーだそうです。幸せは大切な人がそばにいること。暖かくて美しいメロディライン。珠玉の一曲。年配になった二人の自然体な優しさが情感豊かに伝わります。

M15)子供達が結婚したら マイケル・アグネス

「子供達が結婚したらするぞ朝寝坊」つい口ずさんでしまう曲ですよね。マイケルはサックス、アグネスはバイオリンを取り出して弾きます。生演奏は見どころ、聞きどころです。老後を夢みる明るくて楽しくてコミカルな歌。

M16)花嫁の父 マイケル

娘が気に食わない男と結婚するのを嘆くマイケル。子供が結婚するのを夢みていたはずなのに…この気持ちは何?切実な歌詞にマイケルに同情しつつも、ギャグな部分もあってクスリと笑えます。

M17)女ってなに? アグネス

子供達が結婚し夫婦だけになってふとすきま風が吹く。女の生き甲斐って?再び離婚の危機。初演は1966年ですが、女の立場や男の意識って変わっていない部分がある。アグネスの思いがじわりとくる曲。

M18)誰かが私を求めてる マイケル・アグネス

二人があらためてお互いの愛を確認する。この前のやりとりがとてもとても大人の芝居ですばらしいので、この曲で人生の深みをかみしめられます。

M19)リボンを巻こう マイケル・アグネス

子供が結婚して巣立った後、二人の未来は?希望や明るさの中になんとも言えない切なさが…トークでも書きましたけれど、この曲って意味が深いと思います。色んな解釈があります。

M20)この家 マイケル・アグネス

引っ越していく二人。思い出は走馬灯のようにかけめぐる。そうして今度は子供達が新しい家庭を築いていく。住み慣れたこの家にも新しい住人がやってくる。しっとりと歌い上げてこの舞台も幕を閉じます。すっかりおじいちゃんとおばあちゃんになった二人の歌に50年の人生を感じてじわっときます。


総 評

全体として完成度が高く、まとまりがあり、どの曲も親しみやすく美しいメロディ。楽しくて明るくて、おしゃれで奥深くてとても上質のエンターテイメントだと思います。ただ、自然な夫婦を普通に演じ、50年分を見せなくてはならないので、歌がうまいだけでは決して演じきれるものではありません。歌と演技と両方兼ね備えた、人生の奥行きを出せる役者にしかできないミュージカルだと思います。(02.8.27)

 

 

 

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